法思想史Bは,基礎法学の1つとして実定法を異なる角度から照らし出し,その理解を促進する役割をもつ。本講義では,現代法学と直接的な関係を有する20世紀の代表的な法思想を取り上げ,それらを詳しく分析する。20世紀法思想の特徴は,社会の大規模産業化や行政国家現象,福祉国家現象,あるいは,2つの世界大戦や東西冷戦の影響が顕著にみられる点にある。その結果,19世紀までの法思想との対比において,法の本質を,社会的目的を達成するための手段あるいは道具と考える。これらの検討を通じて,われわれが暮らす現代社会における法の性格と限界が,よりよく理解できるであろう。(CP-1およびDP-1・2・4に関連)